割り箸

割り箸は、江戸時代末期に酒樽の端材を用いたのが最初と言われています。一般家庭に普及し始めたのは、明治10年に奈良県吉野郡下市町において寺子屋教師の島本忠雄によって開発・商品化された小判箸が始まりです。

割り箸は、建築資材を切り出した残りの端材(背板)を利用して作られるため、エコなお箸でもあります。

素材の特徴

見た目の杢目の鑑賞性、きれいに裂ける割裂性、木の芳香、適度な強度などの特徴があり、国内では奈良県の吉野杉が有名です。

木の肌が滑らかで、香りが良く、耐久性があるのが特徴です。香りには天然の殺虫、防カビ抗菌効果の強い物質が多く含まれています。


利久箸

茶人・千利休が考案したとされるお箸で、当時、杉の木で作られていた割り箸を削ることで「杉の香りも楽しんでほしい」と、千利休が考えて両端を削ったと言われています。

客人をもてなす、「おもてなしの心」から生まれた割り箸であった為、現在でも結婚式やお正月などのおめでたい席や、料亭などで使われます。また、「利久箸」の漢字に「休」ではなく「久」が使われた背景には、お店が休むことのないよう、永久に続くようにという思いが込められているのだそうです。

利久箸・卵中箸(杉・桧)

最初から割れている利久箸を帯で留めた最高級品。「バラ利久箸」「一本利久箸」とも呼ばれます。

真ん中が卵のようにふくらんでいることから「卵中(らんちゅう)」と呼ばれ、子孫繁栄や五穀豊穣の願いが込められています。

利久箸・夫婦利久箸(杉・桧)

利久箸の小割の工程をもとに、割れ目、中溝を付け、さらに両端を削った両口割り箸。

その形が2本仲良くぴったりくっついており、夫婦の様であるところから「夫婦利久」とも呼ばれます。


五角箸(桧・白赤杉・本赤杉)

頭部を均一な五角形に仕上げた、人が最も美しいと感じたり安定していると感じたりする黄金比が隠れているお箸で、手になじみやすい形でとても持ちやすいのが特徴です。

五角形はバランスのとれた形であることから「邪気」を払うとも言われています。

語呂合わせで「合格箸」などとして合格祈願のお箸としても用いられます。

六角箸(桧・白赤杉・本赤杉)

お箸を持つ際に、親指、人差し指、中指で抑える3点が等間隔になり、手の中で安定するため、お箸の断面は3の倍数が良いとされています。

六角形は3の倍数であると同時に等間隔に持つことが出来る唯一の形で自然と正しく持てる実に持ちやすく使いやすいお箸です。

「鶴は千年、亀は万年」というように、六角は長寿の象徴である亀の甲羅の形でもあり、縁起が良い形なので、敬老の日や長寿のお祝いギフトに贈られることもあります。


近藤銘木

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